小中学生の74人に1人が不登校

その数、12万人以上。

これは、文部科学省が発表した最新データによって明らかにされました。

そして調査の結果、不登校児童数は平成24年をさかいに増え続けていることもわかったのです。

不登校ときくと、いじめを連想してしまいがちですが、実はいじめが原因の不登校より他の要因によるものがはるかに大きいことが文部科学省の調査でわかってきました。

いじめが原因の不登校は0.5%に対し、学業不振による不登校はなんと21.4%にものぼります。

年々急増する不登校ですが、近年は新しい不登校のカタチとして通信制を積極的にえらぶ生徒が増えてきています。

その新しい不登校のカタチとはどのようなものなのでしょうか?

そこで今回は、不登校をとりまく要因と、不登校の生徒が取り組む新しい授業のカタチを紹介していきます。

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不登校児童数の推移

不登校児童生徒の割合は、

  • 小学生だと、208人に1人が不登校に
  • 中学生だと、33人に1人が不登校に

不登校児童数の推移引用:文部科学省

不登校の児童生徒数の数は平成24年をさかいに増加しています。

近頃は、SNS利用による友達トラブルも問題となっていますが、この新たな要因もまた不登校を増やすもとになっているのかもしれませんね。(個人的意見ですが)

不登校の要因は意外にも・・・

文部科学省がおこなった『平成28年度 児童生徒の不登校要因』の調査によると、意外にも家庭問題がトップという結果に。

小学校(国公私立)

平成28年度児童生徒の不登校要因引用:文部科学省

  1. 52.1% 家庭に係る状況
  2. 18.6% その他
  3. 18.4% いじめを除く友人関係をめぐる問題
  4. 13.7% 学業の不振
  5. 4.1% 教職員との関係をめぐる問題
  6. 4.1% 入学・転編入学・進級時の不適応
  7. 2.1% 学校のきまり等をめぐる問題
  8. 1.1% 進路に係る不安
  9. 0.6% いじめ
  10. 0.3% クラブ活動・部活動への不適応

小学校での不登校要因は家庭に係る状況が5割にも及んでいます。

家庭環境が子どもに与える影響が大きいということなのかもしれませんね。

中学校(国公私立)

平成28年度児童生徒の不登校要因引用:文部科学省

  1. 28.9% 家庭に係る状況
  2. 27.2% いじめを除く友人関係をめぐる問題
  3. 21.4% 学業の不振
  4. 19.7% その他
  5. 6.7% 入学・転編入学・進級時の不適応
  6. 5.0% 進路に係る不安
  7. 4.1% 学校のきまり等をめぐる問題
  8. 2.9% クラブ活動・部活動への不適応
  9. 2.3% 教職員との関係をめぐる問題
  10. 0.5% いじめ

思春期が真っ只中の中学生は、人との関わりだけでなくで将来に結びつく進路でも悩み不安に感じているようです。


学年別不登校児童生徒数は?

下記のグラフは文部科学省の調べによる『平成28年度 学年別不登校児童生徒数』の結果です。

文部科学省調べ学年別不登校児童生徒数
引用:文部科学省

不登校の数は学年が上がるにつれ増加しています。

年齢を重ねるごとに思考能力は高まり、考え悩むことが増していくのかもしれませんね。

そんな中、年々増え続ける不登校に対し、制度や学習のあり方も変化してきています。

いったいどのように変わってきているのでしょうか?

後半は、その変化についてお話していきます。

いつでもどこでも授業|通信制の進化

ネット配信型授業

ひと昔前までは通信制といえば、ラジオや郵送などのアナログ的イメージがありましたよね。

しかし、いまではネットの普及により通信制は劇的に進化し、いつでもどこでも授業が受けられるようになりました。

例えば、
午前中の教室は図書館、午後からの教室はカフェ、先生はパソコンの中、というようにインターネットを利用した通信制の学習を取り入れる生徒が増えています。

インターネットによる授業は、好きなに、好きな場所で学べるのが最大のメリットですが、すべてがよいことばかりではありません。

これは、高校生を例にあげましたが、中学1年生から対応している通信制高校も出てきています。

メリットとデメリット

メリット

  • 好きな時、好きな場所で学べる
  • 自分の能力に合わせて学習が進められる
  • 高卒認定が取れる
  • 私立高校より費用が安い
  • 地方の田舎でもネット環境があれば授業を受けられる

デメリット

  • しばりがないため挫折しやすい
  • わからない内容を避けたり後回しにしてしまう
  • 生活リズムが夜型になりやすい
  • 公立高校より費用がかさむ場合がある

通信制をやりとげるには、強い意志と忍耐力が必要。

とはいえ、時には自分に甘くなってしまうことが誰にでもありますよね。

しかし、その甘さをほっておくと挫折する可能性が高くなってしまいます。

そこで、通信制をやり遂げるための合わせワザをつぎの項目で紹介していきます。

塾や予備校に通う

ここからは、高校生を対象にお話ししていきます。

不登校になったとき、インターネット授業と合わせておこなうとより学習が身につきやすくなるのが塾や予備校との併用です。

例えば、
看護師になりたい場合は、看護の予備校+ネット授業で高卒認定→看護大学を目指す。というようなカリキュラムを組むことで学習意欲も高まり、目標が達成しやすくなります。

しかし、ここでもまたデメリットも発生してきます。

メリットとデメリット

メリット

  • 通うことで学習意欲が保てる
  • 挫折リスクが減る
  • 他人とのコミュニケーションが図れる

デメリット

  • 費用が高い
  • お金がなければ行かせてあげれない
  • 自分の学習ペースで進むとは限らない

塾や予備校の場合、なんといっても費用が高くついてしまうこと。

お金のある方は費用面のことは心配ないでしょうが、そうでない方には大きな負担となります。

つぎの項目では、学習費用を何とか押さえたいと思っているわたしのような方に向けた情報をお伝えしていきます。


就学支援金制度を利用しよう

就学支援金制度とは、子どもが勉強するために必要な費用を国が負担してくれる制度のことです。

しかし、子どものいる家庭すべてに支給されるわけではありません。
就学支援金の制度を受けるにはいくつかの条件があるんです。

では、就学支援金制度について、これからQ&Aを使いわかりやすく解説していきたいと思います。

Q. 就学支援金制度の対象者は?

A. 高校に通っている生徒だけでなく、通信制高校で学ぶ生徒も就学支援金対象者です。とはいえ、就学支援金の支給にはいくつか条件があります。

Q. 就学支援金の支給対象条件は?

A.支給条件の対象者となるのは以下の学校に在籍する学生です。
・国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
・中等教育学校後期課程
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校(1~3学年)
・専修学校(高等課程)
・専修学校の一般課程や各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校
・各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校

Q. 対象外となるのは、どんな人?

A.以下の方は対象とはなりません。

・高校等を既に卒業した生徒や3年(定時制・通信制は4年)を超えて在学している生徒
・専攻科、別科の生徒や、科目履修生、聴講生
市町村民税所得割額が30万4,200円以上(年収910万円程度)の世帯の生徒

Q. いくらもらえるの?

A.公立高校では、
全日制は月額9,900円、定時制は月額2,700円、通信制は月額520円。
私立高校では、全日生・定時制・通信制ともに月額9,900円です。

ただし、親権者の市町村民税所得割額の合計が(私立高校等に通う生徒の世帯)、以下の場合には就学支援金が加算されて支給されます。

  • 0円(非課税)(年収250万円未満程度)の場合、 基本額の2.5倍
    (全日制の場合24,750円/月)
  • 0~5万1,300円未満(年収250~350万円程度)の場合、基本額の2倍
    (全日制の場合19,800円/月)
  • 5万1,300~15万4,500円未満(年収350~590万円程度)の場合、基本額の 1.5倍
    (全日制の場合14,850円/月)

Q. 就学支援金は返済が必要?

A.就学支援金は返済が不要な支援金です。

Q. どうやって手続きしたらいいの?

A.就学支援金の受給資格を得るため、

  • 申請書
  • 市町村民税所得割額が確認できるもの
    (市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書など)

を提出する必要があります。

来年度入学される方は、原則4月に申請書等を管轄所へ提出。提出先は都道府県によって異なるので注意してください。

Q. 申請書はどこでもらえるの?

A.入学される高校等の入学説明会や入学後に配布されます。詳細は都道府県や高校等に御確認ください。

就学支援金制度についての疑問や不明点がある場合は、各都道府県の担当部局に問い合わせするとよいでしょう。
連絡先は下記文字をクリックすると表示されます。

Q. 支給期間はいつまで?

A.高等学校の標準的な修業年限である36カ月まで原則支給されます。
定時制・通信制の課程については原則48カ月まで支給されます。

いま話題の『 N高』とは

N高』は、出版で有名なカドカワ(角川)が造った通信制の高校です。

ネットコース、通学コース、提携スクールと3つの学習方法を取り入れています。

人気のあるネット配信授業・ネットコースの場合、学費は約25万円ほど。
普通の学校と同じように興味に合わせた課外授業もあり、生徒同士で情報交換をするサークルもあります。

また、生徒1人につき担任が付き、学習やレポート課題をしっかりと進められるよう生徒へのサポートにも力を入れています。

まとめ

さまざまな要因によって引き起こされている不登校は、年々増え続けています。

それに寄り添うようなカタチで、新たな学習方法も広がりをみせています。いつでもどこでも授業がうけられるネット配信型授業もそのひとつです。

学校へ通わなくても、自分のペースで進められ、フォロー体制も用意され、さらには質の高い授業が受けられることから、ネット型授業は学生の間で積極的に取り入れられているようです。

不登校に悩みながらも、子どもたちは自分の将来を考え・思い描きながら、目標を叶えようとふんばっているんですね。